ワンちゃん(特に大型犬)と暮らしている家族にとって胃稔転ほどなってほしくない病気はないんじゃないかと思う。
我が家もその中の1人で、常に気を付けていたし、気にしていた。
でも、恐れていた胃稔転になってしまったのである。
今回は我が家のゴールデンレトリバー(ジョリー♀)が胃稔転になった時の状況を綴っていきます。
胃稔転について言われている原因等、全く当てはまらなかったジョリーの胃稔転・・・
大型犬と暮らしている方には是非、ご覧頂き参考にしていただければ・・・と思います。
目次
胃稔転の症状
その名の通り、胃が捻じれてしまう状態です。
なんらかの原因で胃が捻じれると、食道と幽門が塞がってしまいガスがどんどん胃に溜まって異常にお腹が膨らんできます。
時間が経つにつれ、拡張した胃の圧迫によって脾臓や胃に壊死がおこり血流障害が起こります。
それによって毒素がまわって最悪の場合、ショック状態により死にいたる恐ろしい疾患です。
一般的な症状は、苦しくなって吐き気をもよおしますが食道が塞がっている為、吐きたくても吐けず苦しそうにウロウロします。
落ち着きがなく、何度も吐く仕草を繰り返し、お祈りのポーズと言われる前足をグーッと伸ばしてお尻を上げて伸びるようなポーズをします。
ゲップをしたりヨダレが出る。水を飲もうとする。
症状は食後すぐに現れることが多い・・・など。
このような症状が現れたらためらわず病院へ連れて行きましょう。
胃稔転の場合、迷っている時間はありません。
胃稔転の症状
・吐きたそうにしているが吐けない
・苦しそうにウロウロする
・ソワソワ落ち着きがなくなる
・ヨダレが大量に出る
・ゲップをする
・水を大量に飲む
・胃が異常に膨らんでくる
胃稔転の原因は
一般的な胃稔転の原因は一度に大量に食べること、早食いをする、水を大量に飲む、食べてすぐの激しい運動、運動後の水のがぶ飲み、油分の多いフード・・・などが原因とされていますが、あくまでも統計上の話であって実のところハッキリとした原因はわかっていません。
胃稔転の原因
・一度にたくさん食べる
・早食いをする
・運動(散歩)の前後水を大量に飲む
・食後すぐの激しい運動や散歩
・油分の多いフード など
これらの情報は熟知していたし、全て気をつけて実践していました。
でも・・・ジョリーは胃稔転になってしまったのです。
それは穏やかに寝ていた時、突然やってきた
年が明けてようやく落ち着き、いつものように朝の散歩に行き、帰ってきて1時間ほどしてからご飯を食べさせて、その日は仕事も休みだったのでゆっくりと過ごしていた。
朝ごはんから3時間以上経ってからいつも行く広い芝生にボール遊びに出かけ、2~3回ボール投げをして特に変わった様子も無く家に帰り満足してグッスリ眠っていた。
するといきなり「グエッ」っと一回嘔吐のような仕草をしたが何もでなかった。
「喉に何か引っかかった感じがしたのかな?」ぐらいに思っていたが、しばらくすると急に起き上がりまた「グエッ」っと・・・
吐きたいのに吐けないような感じだった。そこから急に落ち着きがなくなり外に出たがったので「外で吐きたいのかな?」と外に出した。
外でも何度か吐く仕草を見せたが何もでない。お祈りのポーズを何度もしてヨダレが出て苦しそうにしているのを見て「何かおかしい!もしかして!?」と思ってお腹を触ったらはち切れそうに腫れていた・・・
「胃稔転になった!!!」とっさにそう思った。とにかくすぐに病院に連れて行かなきゃ!!
車に乗って走りながら(運転は主人)かかりつけの病院に電話をしたら「すぐに連れてきて下さい!」と言われた。
向かっているとこんな日に限って渋滞!!隣で苦しそうにしているジョリーを見て「間に合わないかも!」と思った。
すぐに近くにある動物病院の電話番号を調べて電話をするとこちらも「すぐに連れてきて下さい!」と言ってもらえた。
すぐに手術かと思ったが・・・
胃稔転を発症してから病院に着くまでおよそ20分。
着いたらすぐに手術かと思ったが、「まずはレントゲンを撮ります」と連れて行かれた。
「胃が180度捻じれてますね。いきなり手術するとショックで亡くなることもあるのでまずは胃に溜まった空気を注射器で抜きます」
と言われた。このとき、今後のリスクを説明された。「空気を抜いてる間にショックで亡くなる子もいること、手術中に亡くなってしまう子もいること、術後に急変して亡くなってしまう子がいること」など・・・
聞いていて涙が止まりませんでした。もしかしたらこのままいなくなってしまうかもしれない・・・そう思いました。
でも、お任せするしかありません。
ガス抜きの後、しばらく点滴をしてから手術が始まると言われ、点滴中のジョリーに会いに行きました。
ガスを抜いてもらって楽になったのか先ほどよりずいぶん落ち着いていました。
「胃稔転は時間との勝負」と聞いていたのですぐに手術かと思っていましたが最初の処置が大事なんですね。
まれに胃稔転に慣れてない医師が手順を間違えてしまうと手遅れになることもあるようですが、今の時代は胃稔転の症例も多いのでそんなことはなくなりつつあるようです。
長かった手術時間
手術が始まると私たちはただ、待つしかありませんでした。
すっかり日も落ちて、診療時間も終了した待合室で祈るように待ちました。
手術時間は1時間ちょっとだったと思いますが、もっと長い時間に思えました。
手術が終わり、先生から「脾臓の壊死もなく他の臓器も問題有りませんでした。捻じれた胃を元に戻して胃を固定しました」と言って頂いた時はホッとしました。
胃の中に何かあるようだったので急遽、胃も開腹して異物を取りだして下さいました。
「胃の中にあったものです」と見せていただいたものは消化しきれていないフードや色んな物が固まって固形になったものでした。
食後何時間も経っているのに消化してないのは、ジョリーの場合は胃の働きが悪くなっていたのかもしれません。
固形になったかたまりも、毛や輪ゴムなどが絡まっていて随分前から胃の中にあったようでそれも原因の1つかもしれないとの事でした。
これが取りだせただけでも良かったと思います。
術後の様子
病院の方針で1週間は面会謝絶でした。
会いたかったけど、先生曰く「会うと飼い主さんが帰った後に淋しがるのでかえって可哀相です。それで食事をしない子もいるのでここは我慢して治療を優先させてください」との事。
確かに、会えば連れて帰ってもらえると思うだろうし、置いて帰ると「置いて行かれた」と思ってストレスになるかもしれません。
会えない代わりに電話で毎日、状況を伝えてもらいました。
翌日には外で排泄が出来るようになったこと、2日目からは食事を食べれるようになったことなど。
日に日に良くなっているようで安心しました。
退院の日の様子
1週間の入院を終え、退院の日・・・
「午前中にお迎えに来て下さい」と言われ、朝一番にお迎えに行きました!
顔を見るまでは不安でいっぱいでしたが奥からガサガサと勢いよく元気いっぱいに走ってきました!
まだ術後間もないしお腹の傷も心配だし、何より胃を固定してるのでそんなにはしゃいで大丈夫!?と心配になるほど・・・
でも、1週間も会えなかったんだからジョリーにしてみれば大喜びの舞いだったはず・・・(笑)
とっても元気そうだけどガリガリに痩せてしまってちょっとビックリ!!
たぶん、胃の負担を減らすためにご飯の量も減らされてたんでしょう・・・
なんだか、ヒョロヒョロ・・・
傷口も痛々しい・・・
でも、元気に帰ってきてくれてよかった!
胃稔転はとにかくすぐに病院に連れて行くこと!
胃稔転の知識は以外と知らない人も多く、症状が出ていても気付かずに様子をみて手遅れになるケースも多いです。
飼い主の知識はとても大事だと思います。
私の場合は常に気を付けていましたがそれでも、今回のようにセオリーどおりではなく、ゆっくりと過ごしていた時間に起こってしまいました。
「気付いたらすぐに病院に連れていく」という知識があったからはもちろん、今回は色んな偶然が重なり早く手術出来たことが良かったんだと思います。
私たちが休みの日に胃稔転になったこと、今までは定休日だった病院が1月から診療日に変わったこと、医院長先生が出先から戻られたばかりだったこと、通院患者ではないジョリーを電話1本ですぐに診て下さったこと・・・
どれが欠けていてもジョリーは助からなかったと思います。 改めて感謝です!!
胃稔転は急を要する恐ろしい病気です。・・・病気と言うよりは、交通事故にあったようなもの・・・と先生はおっしゃいます。
私はとっても気にして気をつけていた分、「気を付けてたのになんで?」という思いが強かったですが、結局のところ・・・
気を付けていてもなる子はなる。気にしてなくてもならない子はならない・・・のです。
それよりも、なってしまった時にいかに早く対応できるか!です。
まとめ
日頃から病院の診療時間や休みの日をチェックし、夜間や早朝などになった場合に備えて救急病院の場所や電話番号を調べておくようにしましょう!
あと、胃稔転の手術に対応できるかを日ごろから聞いておきましょう。←コレ、大事です!
そして、できるだけ飼い主がパニックにならないようにしましょう。愛犬は飼い主の不安を察知します。
出来るだけ冷静に「大丈夫、大丈夫」と声をかけながら落ち着かせてあげて下さい。
そうすることでワンちゃんも安心します。
とにかく、病院へ急ぐ!! これが一番大事です!!
胃稔転は急を要します!
いざという時の為に、愛犬の為に出来ることを日ごろから学んでおきましょう!